こんにちは、ライターの齋藤です。ついに全7回、4ヶ月におよぶワーク・シフトラボ ベーシック講座の最終回が終わりました。
最終回は、パクチーハウスを立ち上げたり、日本で2番目のコワーキングスペースを開いた佐谷恭さんがイノベーター(≒狂人)として登場しました。
パクチーに狂う旅人。株式会社「旅と平和」の代表取締役、日本手食協会・理事長、パクチーハウス東京とPAX のファウンダー、シャルソン創始者、『つながりの仕事術 「コワーキング」を始めよう』(共著)、『ぱくぱく!パクチー』『みんなで作るパクチー料理』
kyoblogより
ワークの内容は、宿題として出ていた佐谷さんへの質問の中から、佐谷さんが興味を持った質問について深掘りするためのインタビューをする、という内容でした。
ただ今回は、ワークの様子のレポートよりも、全7回を通じて一人の受講生の視点から見たこの講座は何だったのか?をお伝えしたいと思います。
(ワークの様子を手短に紹介すると、過去の狂人の方へのインタビューと同じように、やっぱり狂人と話すのは難しいね、という具合でしたので。)
第2期も開催予定ですので、受けようか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
第2期のご案内はこちら
ゲートキーパーのスタートラインに立つための講座
この講座の中心テーマであるゲートキーパーという概念はまだ一般的ではありません。
そのため、受講生の中には、
「私はゲートキーパーになる必要があるんだ!」
という人から、
「自分はゲートキーパーになれるのか知りたい」
や、
「ゲートキーパーってなんだろう?」
という人まで、バラバラにいました。
そんな人たちが、講座を通じてどうなるかというと、
「今の私がゲートキーパーとして活躍するには●●が足りない。」
ということに気づくようになります。逆の言い方をすれば、ゲートキーパーとして活躍するために何を伸ばす必要があるのかを発見できるようになります。
しかし中には、
「私はゲートキーパーに向いていないことがわかった」
という人もいました。
そのためベーシック講座は、ゲートキーパーとしての技術を学ぶための講座と言うより、ゲートキーパーとしてのスタートラインに立つための講座、なのだと思いました。
ただ、仮にゲートキーパーに向いていない人でもこの講座を受けるメリットはあると思います。それは「狂人を発見できるようになる」からです。
※ゲートキーパーや狂人については第3回のレポートで紹介しています※
狂人を理解するために、狂人になってみる(第3回レポート)
スタートラインに立つと、狂人を発見できるようになる
この講座を受けると狂人を見つける能力が高まります。
人はゲートキーパーとしての「犬因子」と狂人としての「狼因子」、そしてオーダーズ(組織人)としての「羊因子」の3つを持っています。この3つのバランスで、その人が狂人として振る舞えるのか、ゲートキーパーとして行動できるのか、が変わってきます。
犬・狼・羊因子についてはこちらのレポートをご覧ください。
ゲートキーパーについて学ぶことは、狂人について学ぶことと表裏一体です。そのため仮にゲートキーパーに向いていない人であっても狂人を発見する能力は高まると思います。
講座を通じて自分はゲートキーパーには向いていない。と思った人でも、例えば仕事の中で狂人が現れてプロジェクトが上手く行かなくなった時、
「このチームにはゲートキーパーがいないからうまくいかないんじゃないだろうか?」
という考え方をすることができるようになります。
自分がゲートキーパーであれば、ゲートキープすればいいし、自分はゲートキーパーに向いていなければ探してくればいいのです。
これができるようになっただけで随分と仕事のストレスが減りました。
ゲートキーパーのスタートラインに立つとは、マインドセットを学ぶこと
講座では、ゲートキープの技術よりもゲートキープを通じて問題を解決する方法を発見することの重要性を学びました。
これは、例えば数学で公式を習う前になぜその公式を使うのかの理由を自分の力で発見できるようになるようなものです。
たとえば、講座では27個のゲートキーパーのパターン・ランゲージを学びました。
ただ、その学びの内容は一つ一つの使い方を学ぶのではなく、いつどれが使われているかを発見できるようにするという学び方でした。
同じような学びに見えて、この2つは全然違います。
一つ一つのパターンの使い方を学ぶ、というのは数学で言う公式を覚えることに似ています。目の前で発生した問題の解決策を思い出すための学びです。
一方、どのパターンを使うかを発見できるようになる学びは、問題そのものを特定することです。これは思い出すよりも前の、問題の発見ができるようになるための学びです。
こんな人にはおすすめしたいと思う
最後に、僕が講座を受講して、一人の受講生の視点から「こんな人なら受講をおすすめできる」と思う2つのパターンを紹介します。
1.起業したい、新規事業を作りたい
ワーク・シフトラボでは、狂人とは「短期的な利益を追えない人々のこと」と定義しています。この特性は、特に起業や新規事業づくりに向いています。
なぜなら、既存の事業や世の中にすでにある仕組みの外側の発想を生み出す可能性が高いからです。
ただ狂人だけではスケールしなかったり、上手く物事が進まなかったりします。
そうならないためにも、起業や新規事業づくりを考えている人にはゲートキーパーという概念を知っているだけでも全然違ってくると思います。
2.すでに狂人に苦しめられている人
起業や新規事業づくりに全く関係がなかったとしても、例えば
「言うことがしょっちゅう変わる」
「なにを言っているかよくわからない」
「気がつくと勝手なことをしている」
上司や同僚(もしくは部下)に悩まされている方も受講をおすすめします。
苦しめられている原因の人が仮に狂人なのであれば現状を解決するために何が足りないのかを発見できるようになります。もし自分にゲートキーパーの特性があれば、解決するための問題を見つけられるようになります。
なにより、事務局や講師の人たちはそういったゲートキーパーとしての経験が豊富なので、相談してみるだけでも大きなヒントが得られると思います。
6月5日に公開講座があります!
さいごに、全7回、4ヶ月にわたる講座。しかも毎回宿題ありなのは決して楽ではありませんでした。レポートを書く、という仕事がなければ1回くらい休みたかった…。
それでも、講座を受ける中で
「あれ、僕のこのプロジェクトが上手くいかないのは、あそこの狂人が暴走しているからじゃないか…?」
という視点を持つことができるようになったおかげで、人生全体のストレス量が減りました。あと、受講するともらえるパターン・ランゲージのカードがとても便利です。
個人的には、すでに狂人(疑惑含む)に苦しめられている人にぜひ受講してもらいたいと思っています。
興味を持った方は2018年6月5日に公開講座もあるのでぜひお越しください。
(僕も受講した人として少し話す予定です)
ありがとうございました。
第2期&公開講座のご案内
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公開済みのベーシック講座のレポートはこちら
第1回
第2回
第3回
第4回
【ゲートキーパー版パターン・ランゲージを通じて、自分の成長ポイントを発見する】
第5回
【ゲートキーパーの技術を学ぶ時にパターン・ランゲージを使うと効率が上がる3つの理由】
第6回