こんにちは、ライターの齋藤です。
公開講座に引き続き、ワーク・シフトラボの第1期ベーシック講座への潜入レポートをお届けします。今回は、第1回の講座の様子をお届けします。
この潜入レポートは、ライターの齋藤が一人の受講者の視点から講座に参加する中で学んだことや考えたことをまとめたものです。講座を運営する株式会社 遭遇設計は最低限の誤解(知識的な間違い)以外は修正していません。
ベーシック講座が目指す3つのゴール
第1回の講座の内容のレポートの前に、ベーシック講座の目指していることを確認してみましょう。
事前に配布された資料には、
この講座のゴール
1.ゲートキーパーとして成長するために何をすればいいかわかる
2.自身が目指すべきゲートキーパーモデルの仮説が立つ
3.切磋琢磨し合うゲートキーパー仲間が出来る
と書いてあります。
ワーク・シフトラボは、「ラボ」という研究所を意味する言葉がついていることからも、この講座そのものが「ゲートキーパーとして成長するためには何が大切なのか?」を試行錯誤する要素が含まれています。
もし、
「スーパーなゲートキーパーになるための知識を得られる!」
と、期待して参加したら見事に裏切られます。
さて、そんなワーク・シフトラボ ベーシック講座の第1回で印象的だった学びは「学び方を学ぶ」ことでした。
意識的対話という学び方を学ぶ
勉強する方法、はいろいろあります。
その中でも特に暗黙知と呼ばれる「言葉になっていないもの」を聞き出して学ぶときに有効なのが意識的対話です。
この意識的対話は、ゲートキーパーにとって2つの意味で重要です。
第1に、ゲートキーパーとして必要な技術がまだ十分に言語化されていないので、意識的対話によって他のゲートキーパーが持つ技術(=暗黙知)を聞き出すことが大きな学びにつながる。
第2に、狂人とのコミュニケーションでは言語化されていない領域の話が出てくることが多いため、意識的対話をしないと対話が成り立たない可能性が高い。
暗黙知とは、言葉にして説明できない知恵や経験
第1回の講座で学んだのは「意識的対話」がなぜ重要か、そしてどうすればトレーニングできるのかという話でした。
意識的対話とは、先ほども紹介したとおり、暗黙知(あんもくち)を聞き出すための技術の一つです。
暗黙知とは、言葉にして説明できない知恵のことです。
例えば、野球のホームランの打ち方にはマニュアルになっている部分と暗黙知の部分があります。
マニュアルになっている部分は例えばこんな感じです。
「飛んできたボールの芯を捉えて、バットの芯に勢いよく当てること」
しかし、以下の部分は暗黙知です。
「飛んでいるボールの芯をとらえるにはどうすればいいのか?」
この暗黙知を引き出すために使える技術が、意識的対話です。
意識的対話を使うと、例えばこんな質問を重ねます。
「ボールが飛んでくる時、どこに意識を集中させていますか?」
「ボール以外に観察しているものはありますか?」
「ボールの芯を捉える時に一番意識している体の部位はどこですか?」
こんな風に「知りたいこと」を意識しながら対話を重ねる技術が「意識的対話」です。
自分を知り、癖を自覚し、コントロールする
意識的対話と言われると堅い印象ですが、多くの人は無意識に実践していることでもあります。
例えば優秀な営業職の人が、顧客のニーズを引き出す時
エンジニアやデザイナーなど職種であれば、要件を聞き出す時。
講座では「ヒーローインタビュー」というカードゲームを使って、自分の持っている意識的対話の癖を知る方法を学びました。このカードゲームは、簡単に言うとゲーミフィケーションを利用して「聞き上手」を育てる研修プログラムです。
ヒーローインタビュー をプレイし続けると、人から話を聞き出す時の傾向、つまり癖が見えてきます。
例えば、僕の場合、相手に安心感を与える傾向がありますが、一方で話の深掘りには時間がかかります。
この癖を持っていることが悪いわけではありません。
癖を自覚していることが大切なのです。
癖を自覚して、状況に合わせて使い分けること。
それがベーシック講座が目指す「自身が目指すべきゲートキーパーモデルの仮説が立つ」の実現に向けて大切なことなのだと思います。
次回は実際に4人の狂人と意識的対話をしてみます。
一種類の意識的対話だけしか持っていないと通用しない狂人が現れる(と講座ではさんざん言われる)ので、自分の意識的対話がどこまで通用するか…ドキドキ、ワクワクしています。
では、次回もお楽しみに!
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