ゲートキーパー版パターン・ランゲージを通じて、自分の成長ポイントを発見する

こんにちは、ライターの斎藤です。
全7回のワーク・シフトラボのベーシック講座も、ついに折り返し地点を越えました。

第1回では、「意識的対話」をキーワードに学び方と狂人との対話の方法を学びました。

第2回は、実際に3人の狂人の方々を相手に意識的対話にチャレンジ。あまりの難しさに、受講生全員で苦い思いをしてきました。

続く第3回では、受講生ひとりひとりの中にある「狼因子(=狂人性)」を探るワークを体験。それぞれの個性が見えてきた瞬間でもあり、この個性を活かした自分のゲートキープの型を探すことが大切だと学びました。

4回目となる今回は、狂人の売り込み企画づくりへのチャレンジを通じてゲートキーパー版のパターン・ランゲージを学びました。

暗黙知を見える化した「パターン・ランゲージ」を使う

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ゲートキーパー版パターン・ランゲージのプロトタイプ。

第4回のワークでは、ゲートキーパー版パターン・ランゲージを使いました。パターン・ランゲージとは技術を学ぶ時にとても便利なものです。マニュアルよりも抽象的だけど、職人の世界でよくある「見て盗め」よりも具体的なのが特徴です。

そもそもパターン・ランゲージとは?

何かの技術を学ぶ時にとても便利なパターン・ランゲージは4つの要素からできています。
1.状況(Context)
2.問題(Problem)
3.解決(Solution)
4.パターン名

この4要素のセットをパターンと呼び、いくつものパターンを集めることでパターン・ランゲージは作られます。今回使ったゲートキーパー版パターン・ランゲージは27種類ありました。

パターンには必ず「問題」と「対処法」がセットになっています。
もし自分が、書かれている「問題」に近いことにぶつかった時、パターンに書かれている「対処法」を使えば解決することができます。

パターン・ランゲージのオリジナルはオーストリアの建築家クリストファー・アレグザンダー氏が作ったものです。日本では慶応大学SFCの井庭 崇氏が第一人者で、プレゼンテーション版のパターン・ランゲージなどがあります。

興味のある方は以下の本などがオススメです。
参考図書:

パタン・ランゲージ―環境設計の手引
パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語

得意なことに名前をつけると、もっと得意になるヒントが見つかる

僕は今回初めてパターン・ランゲージを使いました。使ってみての感想は、
パターン・ランゲージを扱うには慣れが必要だけど、慣れると自分の成長ポイントが見えるようになるからすごい!
と思いました。

パターン・ランゲージを使うのは、ドラクエの呪文を唱えるのに似てる

講師(左)の近くの3人だけが質問できる。ゲームのボス戦っぽい配置。

講師(左)の近くの3人だけが質問できる。ゲームのボス戦っぽい配置。

超有名RPGゲームに「ドラゴンクエスト(略してドラクエ)」があります。
ゲームの中で、主人公たちは様々な呪文や技を覚えます。相手を燃やす呪文とか、傷を回復する呪文とか。

呪文にはひとつひとつ名前がついていて、使うときには呪文の名前を唱えます。
「メラゾーマ!」とか。

パターン・ランゲージを使うことは、このドラクエの呪文を使うのに近い感覚だと思いました。

例えば、ゲートキーパー版パターン・ランゲージには「プロトタイピング」というものがあります。

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これは、狂人が言っていることを簡単なプロトタイプを作って説明することで、周りの人にもわかりやすくなるように説明するパターンです。

ドラクエ風に言えば、

「ライターの齋藤はプロトタイピングを唱えた」
トゥルルル~ン(効果音)
「狂人の言ってることが少しわかりやすくなった。仲間へのダメージが軽減するようになった」

という具合です。

もちろん、現実に唱える必要はないのですが、自分の行動はどのパターンに当てはまるのかを意識することで一つ一つの行動の精度が上がります。

また、周りの人の行動がどのパターンに当てはまるかを意識することで、新しいパターン・ランゲージを発見できるようにもなります。

「あ、今この人ホイミしてるなー。なるほど、こうするとホイミを使えるのか!」
(ホイミ=回復の呪文)

という具合にです。

パターン・ランゲージを理解すると、自分の成長ポイントが発見できる

今回、パターン・ランゲージを使ってみて僕が一番感動したのは、パターン・ランゲージによって自分の成長ポイントが発見できることです。

今回配られたゲートキーパー版のパターン・ランゲージは27種類あります。
中には「これ、僕もよく使うやつだ!」というものもありましたが、特に面白かったのは「これ、使おうと思ってたけど上手くいかなかったやつだ」があったことです。

例えば「得意分野で戦う」というパターンがあります。

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これは、狂人から無茶振りがきたり、苦手な範囲の仕事も頼まれた時に使うパターンです。これを放置すると、苦手だったりそもそも無茶なので、求められるクオリティのものを作ることができない可能性があります。

僕はこれまで、上手くいった時は得意分野だけで戦っていた時で、上手くいかなかった時は苦手分野もやろうとしてしまっていた時でした。

「得意分野で戦う」というパターンには、もし苦手分野もやらなければならない状況になったら徹底的に期待値コントロールをすると書かれています。

僕ができていなかったのはまさにここだな、と。

苦手分野であっても、得意分野と同じだけの成果を出そうとして「がんばりますっ!!」と言って、後日見事に撃沈していたんだな、と気がつきました。

こんな風に、できなかった理由を発見することもあれば逆に、得意だと思っていたことをもっと上手くやるコツが見つかることもあります。

自分のゲートキーパーの型を作る

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ゲートキーパーにもいろんな種類がいる。例えば秘書みたいな人から、黒幕みたいな人まで。

このベーシック講座を通じて思うのは、完璧なゲートキーパーは存在しないのではないか、ということです。
人それぞれに得意なゲートキープの型があり、その型を基準に対応できる狂人の幅を広げていくべきなのではないか、と思います。

27種類のゲートキーパー版パターン・ランゲージを今回学びましたが、講師のゲートキーパーの方も全てのパターンを使いこなせる訳ではないそうです。苦手なパターンもあれば、得意なパターンもあり、それらを状況に応じて使い分けているそうです。

今回は講座の時間のほとんどをゲートキーパー版パターン・ランゲージを学ぶことに使いましたが、次回はある有名人を題材に「もしこの狂人を売り込むなら?」を考えるワークをします。
今回学んだパターンをどこまで活用できるのか、ちょっとばかしドキドキしています。

今回のワークの内容をあまりリポートできませんでしたが、狂人を売り込むのはやっぱり大変でした。

今回のワークの内容をあまりリポートできませんでしたが、狂人を売り込むのはやっぱり大変でした。

◯第一回
【「学ぶ技術を学ぶ」狂人と付き合う基本的技術を学ぶ】

狂人とのコミュニケーションで重要な”意識的対話”の技法について、カードゲームを用いて自分の対話の特徴や、その活かし方について学びました。

◯第二回
【「会話のボキャブラリー」を増やすための負け確定バトル 】

実際に狂人3名をお呼びして、第一回で学んだ”意識的対話”を活かして対話を進めていきました。果たして、参加者は狂人とコミュニケーションを取ることができたのか…??

◯第三回
【狂人を理解するために、狂人になってみる】

第3回は自分の中に眠る狂人性(=狼因子)を、レゴなどを用いて各々が探っていきました。
受講者たちは果たして、自分の中の”狂人”と出会えたのでしょうか?