ゲートキーパーをするには「得意分野」がある方が強い

こんにちは、ライターの齋藤です。

ワーク・シフトラボ ベーシック講座もいよいよ残すところあと2回。

今回の講座のワークは、第2回で登場した狂人の方々に提案をしてみる、というものでした。

新しい事業の提案でもいいし、既存の事業への参加でもいい。
打ち合わせなど、何かしら次に繋がるアクションを生み出せたら成功、という内容でした。

結果は、全然うまくいかず(1人だけ次の約束をとりつけた人がいました。すごい!)。
今回のレポートではその原因について考えてみたいと思います。

 

4人の狂人の方々に”提案”

4人の狂人の方々
今回登場した狂人の方は4人。第2回で登場した3人に加え、今和泉 隆行さん(写真左上)も参加しました。

今和泉 隆行さん(通称 地理人)

空想地図作家

 

空想地図という、存在しない都市の地図を描く。「点と線をつないでいたら地図がかける」とのこと。地理人研究所 より。

あとの3人の狂人については第2回のレポートをご覧ください。

 

2つの理由から難易度が高すぎて惨敗

DSC05920

講座では、狂人の価値観やモチベーションがわくポイントを推測し、そこに自分のやりたいことをかけあわせた提案をすることを目指していました。

めちゃくちゃ難しかったです。
難しかった理由は2つあります。

 

第1に、自分のやりたいことを提案の形にするのが難しかったこと。

受講生の中で唯一、次のアクションまで具体的に進んだ人はすでに自分のやりたいことが事業という形になっている人でした。

確かに、起業を考えていたり事業の立ち上げのために準備をしている人は「自分のやりたいこと」を提案するのは比較的簡単です。

一方そうではない人、例えば僕のような人、は「自分探しの旅」が始まってしまいました。

文字にしまえば当たり前のことなのですが、自分の中の動機がある方が協業はしやすいと思いました。

話した後「なんか人生相談みたいになっちゃったね」と言われました。

話した後「なんか人生相談みたいになっちゃったね」と言われました。

 

相手を知るチャンスが少ない しかしそんな機会は少ない

DSC05908

もう1つの難しかった側面は、狂人の人の考えや価値観を推測するのが難しかったことです。

確かに、人によっては積極的にSNSで発信していたり、インタビュー記事があったりする人もいます。

それらを読んでいくことで、その人の内面を知ることはできるでしょう。ただ、これらの情報からその人の内面を知るためには、社会学のリサーチ技術や心理学の知見などの専門技術が必要だと思います。

もしゲートキーパーとして、事前のリサーチを重視したスタイルを選ぶのであれば、講座で習う狂人との協業の仕方に加えて、調査研究の技法も習得する必要があるのだと思いました。

 

一方、僕の場合は、相手と会って話をする中で、話題に対する反応や話し方からその人の内面を推測します。

なので「何度も会って話をした上での提案だったら、もっといいものができたはず」と思いました。ただそれには、狂人と何度も会って話をするチャンスが必要です。

では、どうすればそのチャンスは作れるのでしょうか。
ここからは講座の後に起こったことを紹介します。

 

面白い人になれば狂人と会える、けどそれはゲートキーパーではない…?

組みたいと思った狂人と会う機会が作れないなら、相手が興味を持つように努力するという方法があります。

実際に狂人の方から、僕が趣味で作った屋台の投稿を見て、「今度のイベントに出店する用に屋台を作って欲しい」というメッセージが届きました。
※ライターの齋藤は日曜大工が趣味なのです。

狂人の一人、大川原さんの「うそのたばこや」の出店用の屋台を作りました。

狂人の一人、大川原さんの「うそのたばこや」の出店用の屋台を作りました。

これはゲートキーパーとして、狂人の内面を知るチャンスです。

しかし、屋台を作っている時の僕はゲートキーパーではありません。どちらかと言うと、ベストな屋台を作るために短期的な利益を捨てる、狂人的な言動になります。

そのため今回は少しややこしいですが、
齋藤=狂人
大川原さん=ゲートキーパー
という役割分担になりました。

ゲートキーパーとして活動するために、自分の中の得意な面を利用する。
もしくは狂人がすでに行っている活動に一人の参加者として加わる

最初からいきなり提案するのではなく、こういった形で少しずつ情報を集めていく方法もあるのではないかと思いました。

 

ゲートキーパー×「●●」になる

DSC05946

講座では、ゲートキーパーの基本的な考え方や技術の種類を学ぶことができます。しかし、技術は知っているだけでは意味をなさず、使える状況を作ることができて初めて意味を成します。

しかし、アイディアがあるだけではゲートキーパーとして活躍する場を作るのは難しいことが今回の講座で体験できました。

もし、ゲートキーパーとして充分な技術があったり、素晴らしいアイディアを持っていれば今回の講座の中でも狂人とコンビを組むことができたかもしれません。

しかし、ゲートキーパーとして未熟な段階では、自分の事業や専門技術などの得意分野を持っている方が有利なのではないかと思いました。

 

そのため、駆け出しゲートキーパーが考えるべきなのは
「ゲートキーパー技術×自分の得意分野」
という掛け算のモデルをどう作るか?なのではないでしょうか。

 

最終回は、イノベーターとして日本初のパクチー専門店を立ち上げた佐谷恭さんがゲストとして登場します。自分の中の「これは得意」という部分を活かして話ができるように準備してチャレンジしてみたいと思います。

 

公開済みのベーシック講座のレポートはこちら

第1回
【「学ぶ技術を学ぶ」狂人と付き合う基本的技術を学ぶ】

第2回
【「会話のボキャブラリー」を増やすための負け確定バトル 】

第3回
【狂人を理解するために、狂人になってみる】

第4回
【ゲートキーパー版パターン・ランゲージを通じて、自分の成長ポイントを発見する】

第5回

【ゲートキーパーの技術を学ぶ時にパターン・ランゲージを使うと効率が上がる3つの理由】