ゲートキーパーの技術を学ぶ時にパターン・ランゲージを使うと効率が上がる3つの理由

こんにちは、ライターの齋藤です。

第5回のベーシック講座の内容をお届けします。今回の講座は、一緒に事業を作るパートナーとして家入一真さんを想定し、一人ひとりプランを持ってきてプレゼンをする、というものでした。

家入一真とは

JASDAQ上場企業「paperboy&co.(現GMOペパボ)」創業社長。クラウドファンディング「CAMPFIRE」代表取締役CEO。カフェプロデュース・運営「partycompany Inc.」代表取締役。リアルやネットを問わず、カフェやウェブサービスなど人の集まる場を創っている。50社程のスタートアップ・ベンチャー投資も行う。

参考:ieiri.net 「about」より

今回、お題として家入さんが題材にしたのは、講師である広瀬が2014年に彼を研究して発表した事があり、彼からも「良くわかっているね。」と仰って頂いたので、講師がよく知る事例として題材にしました。

ワーク・シフトラボが目指すのは、ゲートキーパーが短期的な利益を追うことができない狂人と組むことで事業化を成功させられるようになることです。そこで今回は、実際に事業化を成功したイノベーターにプランを提案するとしたら、という視点でワークに取り組みました。

最初に一人ずつ持ってきたプランを発表します

最初に1人ずつ持ってきたプランを発表します

他の人のプランの発表を聞きながら、どんなパターン・ランゲージが使われたかを考えていきます

他の人のプランの発表を聞きながら、どんなパターン・ランゲージが使われたかを考えていきます

 

発表が終わったら、イノベーターが「やりたい」と思うポイントがあったかどうか。事前に調査した内容から立てた仮説が適切だったかどうかという視点からフィードバックをもらいます。

フィードバックの時にもパターン・ランゲージは使われます。
例えば、

得意分野で戦う」というパターンを使おうとしていたのはわかったけど、前提となる興味を持ちそうなポイントの仮説が間違っていた。

という具合に使われます。パターン・ランゲージがあることで、フィードバックの内容がかなり具体的に理解できるのでとても有意義でした。

筆者、プランの切り口はいいけど詰めが甘いと言われました。

筆者、プランの切り口はいいけど詰めが甘いと言われました。

※パターン・ランゲージについては第4回のレポートで詳しく解説しています。

 

事例をパターン・ランゲージで分解すると真似どころが見えてくる

ワークの後半では、コラボの設計のためにどんなパターン・ランゲージの組み合わせがあるのかをケーススタディしました。

過去に講師の広瀬さんが狂人やイノベーターに対して行った事例を聞きながら、どのパターン・ランゲージが使われたのかを当てていきます。

例えば、家入さんに対して講師の広瀬さんが過去に行ったことの一つに、このスライド資料を作るということがあります。

 

このスライド資料を作る時に少なくとも広瀬さんは以下のパターン・ランゲージを使っていました。

「人を見極める」

 組むべき人を時間をかけて見極める

「準拠枠の出し入れと把握

 自分の価値基準(=準拠枠)を使わずに話をする。知らない世界の人の話を聴く感じで評価しないジャッジしない

「ライブラリーの量と多様さを蓄積」

 クリティカルな質問や意見をするために経験を積んだり、事例を把握しておく。量だけでなく多様であるとなお良い。

「自身の中の小さなC(=狂人)を憑依させる」

 狂人の理解や対応のために、自身の中に小さな狂人を持つ。その小さな狂人を使ってシミュレーションする。

あ
こうして分解することで、事例がどんな風に行われたのか分析することができます。すると、自分が再現するときにはどのパターンを組み合わせればいいのかわかるので、再現性が高まります。

パターン・ランゲージを使って振り返ると改善点が具体的にわかる

前回から使い始めたゲートキーパー版パターン・ランゲージですが、事例の理解だけでなく振り返りでも有効だと実感しました。

振り返りや反省会でパターン・ランゲージを使うことで、

「どのパターンを使おうとしたのか?」

から入って、

「そのパターンは機能したのか?」

「使ったパターンの種類は適切だったか?」

を振り返ることができるからです。
前半のワークのフィードバックがまさにそうでした。

例えば、

「誘発」というパターンを使おうとしたのはよかったけど、相手が興味を持つポイントの仮説が間違っていたね。

という具合にフィードバックをもらうことができます。こうすると、次回に向けて改善すべきポイントが明確になります。

win winのコラボを設計するためのポイントが、パターン・ランゲージで見つかる

ゲートキーパーの重要な技術のひとつに、狂人とwin winの関係のコラボを設計する、ということがあります。ここでもパターン・ランゲージを使うと役に立つことを今回発見しました。

今回であれば家入さんというイノベーター(≒狂人)とのコラボを設計するために、僕は「誘発する」というパターンを使おうとしました。 

「誘発する」

 相手が興味を持つように情報を見せること

すると、「誘発する」というパターンを使うためには、相手が興味を持ったりやりたいと思うことは何かを探す必要がある、ということがわかります。

この方針があるだけで、闇雲に情報を集めるよりもはるかに効率よく情報を集められるようになります。

逆にどのパターンを使うか決められない時にも、集めた情報から「この情報があるということは、今回は誘発が使えそうだ」という風に逆算することもできるはずです。

 

次回は第2回講座のリベンジ!

この講座を通じてパターン・ランゲージを使ってみて、これはとても学習効率が上がるツールだと実感しました。ひとつひとつの内容は当たり前のことが書いてあるように見えますが、当たり前が言語化されていることで「できなかった当たり前」が発見できるところがすごく便利です。

さて、次回の第6回は再び狂人の方にインタビューをしてプランを提案します。
その相手は、第2回の時に来てくれた狂人の方々です!

ここまでの講座を通じて、自分たちがどれだけ成長できたか…また歯が立たないままだったらどうしよう…という一抹の不安も覚えながら、リベンジしてきたいと思います!

公開済みのベーシック講座のレポートはこちら

第1回
【「学ぶ技術を学ぶ」狂人と付き合う基本的技術を学ぶ】

第2回
【「会話のボキャブラリー」を増やすための負け確定バトル 】

第3回
【狂人を理解するために、狂人になってみる】

第4回
【ゲートキーパー版パターン・ランゲージを通じて、自分の成長ポイントを発見する】